定時ちょうどって退社しずらい雰囲気だけど、同僚の外国人はへっちゃらでやってのけてます。自分だけ定時で退社するマインドとは?

職場

こんにちは

しまです。



あなたが働いている会社って
定時できっぱり帰れます?


今回は定時で帰る外国人と
帰りたいけど帰れない日本人の
コミュニティのお悩みについて
解説していきます。



このブログを書いている「しま」って誰?

・今、日本語学校で講師をしています。
・元、民間企業でOL経験あり。
・外国人の多い環境の中で、
文化や習慣のちがいを日々、体験しています。
・日本の社会の「あるある」と
日本以外の国の「スタンダード」を
比較してご紹介しています。

しま
しま

今回の麻衣さんのご相談は
会社の「定時」

つまりお給料をもらって
働く時間のことです。

麻衣さんは日本人と外国人の
マインドのギャップにお悩みだそうです。

さっそく聞いてみましょう。

麻衣
麻衣

はじめまして

麻衣です。




車の部品を作る会社で
事務をしています。


会社は社長と息子さんと
私たち社員全員で
18人という小さいところです。





最近、外国人の新入社員が
入って来ました。

いっしょに働いていて、
日本人とは違う感覚に

???

と思うことがあるので
相談に来ました。



しま
しま

日本人同士でさえ
世代間のギャップがありますから

外国の人なら
お国柄が違いますし、
何かしらの違和感があるのは
当然かもしれませんね。


詳しく聞いてみましょう。

麻衣
麻衣


私の会社は 車の部品を作っています。
地味だし、汚れる仕事なので
正直、若者には人気がありません。




私が担当している事務には
若い女子がいますが、

現場は50代のおじさんたちがメインで
慢性的に人手不足です。



会社はいつも社員を募集しています。





先月、ベトナム人のチュンさんという男性が
求人に応募してきて、
社長面接の結果
入社することになりました。





チュンさんは19歳。

会社では最年少です。




高校を卒業して半年ほど
ベトナムの会社で働きながら
日本語を勉強したそうです。



子どものころからの
日本のアニメファンということもあって、
日常生活に必要な会話はほとんどできます。




特にアニメの話をすると盛り上がります。







そのチュンさんなんですが、

彼は毎日定時になるのを

待っていたかのように

きっちり5時半で上がるんです。







あ、うちの会社は
朝8時半から夕方5時半が定時です。



5時半定時といっても
仕事のキリがいいところまで、
ということなのか

おじさんたちは6時近くまで
仕事をやめません。




なので、私も入社した時からずっと
仕事終わりの目安は
6時になっていました。


6時まで働いても残業代はでませんが、
みんながそうしていたので
私は特に疑問にも思わず、
同じようにしていました。




ところがチュンさんは
毎日5時半になると
嬉しそうに明るくみんなに挨拶をして
1人だけさっさと帰っていきます。






それが悪い事ではないと思うのですが
みんなと違うというか、
会社の習慣を守らないのは
和を乱すようで
なんとなく違和感があります。




うちは年配の社員が多いので
中にはチュンさんのことを

「あいつ、新入りなのに
一番最初に帰るなんて生意気だ」

「仕事を覚える気はあるのか」

などいう人も出てきて
なんとなく気まずいんです。



さらに言うと
私だって5時半に帰れるなら
早く帰りたいです。


でも、おじさんたちが
6時まで仕事をやめない以上、
先に帰るわけにはいきません。


チュンさんが1人だけ
定時で帰るのはずるくないですか。

しま
しま

最近は日本で働く外国人を
よく見かけますね。


言葉の壁のほかにも
文化や習慣のちがいに
とまどうことが多いと思います。


時間に対する感覚も
どちらが良いとか悪いとかではなく
人によって、国によって
考え方が違います。


麻衣さんの会社の
ご年配の方たちのおっしゃることもわかります。

ちなみに、チュンさんは一度も
残業をしたことはないんですか。

麻衣
麻衣

いいえ、月末の数日間は
納期の関係で忙しいので
残業になります。
この時は残業代は出ます。


そのことは入社する前に
社長から聞いていたようで

納期に間に合わせるために
月末は 快く残業を引き受けています。



しま
しま

そうですか。

麻衣さんのお話はわかりました。

では、ここまでの話をまとめてみましょう。


麻衣さん側まとめ<事実>

・会社の定時は8時半から5時半。
・でも、実際は毎日6時ごろまで仕事をして退社する。
 (残業代なし)
・その他に月末の忙しい時には残業あり。
 (残業代あり)

チュンさん側まとめ<事実>

・毎日定時5時半になると周囲に挨拶をして退社。

・でも、月末の忙しい時は残業に応じる 。




<事実> の部分だけを比べると
どちら側もふつうにありそうな話ですね。




次に<マインド>です。

「本当はどう思ってるの?」

という気持ちの面を
麻衣さんとチュンさんに聞いてみました。


麻衣
麻衣

定時は5時半だけど、
みんなが6時まで働いているのに
私だけ定時では帰れないわ。


本心を言えば、
早く帰れた方がうれしいけど、

私だけみんなと違う行動を
とるのはどうかと思うの。


その点、毎日定時で帰るチュンさんは
ずるいような
羨ましいような気がしてるわ。

チュン
チュン

定時は5時半なので、
私は定時で帰ります。


定時までに仕事を終わらせるように
努力をしているんです。


定時になっても
仕事をしている人もいますが、

個人的な問題なので

私は仕事をしている人たちに
挨拶をして先に帰るんです。



月末、納期に間に合わないときは
残業もあると社長に聞いていますから、

必要があるときには残業をします。

それ以外は残業の必要はないと思います。




しま
しま

どうでしょう?



<マインド> 部分はかなり差がありますね。



チュン
チュン

麻衣さんは本当は
定時で帰りたかったんですか!!

知りませんでした。

月末の忙しい時に
残業をしなければならないのは
わかりますが、


他の人が帰らないから
麻衣さんも帰れない

というのはよくわかりません。

あと、
私がずるいと思われていたなんて
ちょっとショックです。


私は定時までに
仕事を済ませて
帰っているのですから
問題ないと思ってました。

麻衣
麻衣

職場の和を乱さないように
気を使って退社時刻を合わせていたのに



チュンさんには

「個人的な理由」

と思われていたんですね。


知りませんでした。


必要な時だけ残業して、
必要がない時は定時で帰る、

というチュンさんの働き方は

合理的だと思いました。





麻衣さんはふだんから
定時を過ぎても

他の人に合わせて

仕事を延長していました。

この部分に共感する日本人は
かなり多いのではないでしょうか。


一方、チュンさんも
あるポリシーに基づいて
行動しているんですが

日本人には少し違和感があるようです。



チュンさんは
月末の忙しい時には残業をしますが、
他の日は定時で帰ります。
定時で帰る段取りで
仕事をしていると言っています。



残業が不要な日に

仕事を延長するのは個人的なこと



ととらえていますね。





しかも、帰るときには
きちんと挨拶をして

礼をつくしている

と言っています。




ここが、麻衣さんとチュンさんのギャップです。




お互いのポリシーを知ると
なるほと! と納得できることが
多いのではないでしょうか。



違和感のある行動の裏には
その人なりの想い、ポリシーがあります。


ポリシーは人によって、
国によって異なりますが

お互いの想いを知ると
分かり合える部分が多いと思います。




ギャップを感じたらその都度、
当事者同士で話し合うのが理想的です。


とはいえ、

小さいギャップを
その都度話し合うのは大変ですよね。



そこで日本語講師の私、しまが
外国人の多い職場で経験してきたことを
サクッとご紹介して

みなさんのギャップを
解消できればと思います。



今回は「定時」の考え方のギャップについてお伝えしました。

以上です。



しま
しま

ご意見やご質問には

わかる範囲でお答えしています。

私、しまのTwitterまでどうぞ。



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